コラム
狂犬病の治療法はない?助かる方法は?病気の症状と対処法をご紹介
こんにちは。
大田区北千束・洗足エリアにある「北千束動物病院」です。
毎年春を迎えるころに、狂犬病予防ワクチンを接種していますよね。
「狂犬病って絶滅している病気じゃないの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
ところが、狂犬病の2017年の年間死亡者数は、世界で推計約5万9000人にものぼります(狂犬病:厚生労働省のサイトより)。
2020年には、日本国内でも14年ぶりに狂犬病によって亡くなった方がいますが、フィリピンで犬に噛まれてから入国し、狂犬病を発症したと報告されています。
狂犬病の治療法や助かる方法など、狂犬病に関する情報をお届けします。
狂犬病の治療法はない?ほぼ命を落とす病気
狂犬病には治療する薬や治療する方法はなく、発病すると100%に近い確立で命を失ってしまう恐ろしい病気です。
奇跡的に助かった例も何件かありますが、いずれも対症療法であり、発症してしまった狂犬病に対する専用の薬はまだありません。
発病してしまうと、こんな症状が起きます。
- 発熱
- 悪寒
- 錯乱
- 水を見ると首の筋肉がけいれんする
- 冷たい風を浴びるとけいれんする
- 麻痺、など
助かるために知っておきたい対処法
狂犬病が発生する地域に渡航する際は、予防接種を受けておきましょう。
予防接種を受けておらず海外に渡航し、動物に噛まれてしまった場合は、24時間以内に狂犬病ワクチンの接種が必要です。また、噛まれた部分の消毒や手当を行います。
事前に予防接種を受けていれば、噛まれた後の注射は必要ありません。
予防接種を受けた方も、予防接種を受けていない方も、海外で動物に噛まれたらすぐに医療機関を受診してください。
おうちのワンちゃんには予防接種を
狂犬病は、病気を発生させないよう、動物に対して予防接種を行うことが大切です。
日本では、1950年にできた「狂犬病予防法」により、飼い犬への予防接種が義務づけられています。
万が一、愛犬が狂犬病に感染するようなことになれば、錯乱状態に陥って苦しんだ後、ほぼ100%死亡します。もし飼い主さんやご家族が咬まれていたら、命を落とすことになるでしょう。
そして、周辺地域すべての犬には、鎖でつながれたまま移動を禁止される令が下されます。当然、ニュースとして注意喚起の報道もされます。日本全土をを巻き込んだ、とてつもない大ごとになるのです。
ワンちゃんを飼う時は、社会への責任として、必ず予防接種を受けさせましょう。
狂犬病を媒介する動物
狂犬病は犬だけの病気ではありません。
犬を始め、キツネ、スカンク、アライグマ、コウモリなどの動物も媒介します。
これらの動物への接触はなるべく避け、噛まれてしまった場合、ひっかき傷を受けた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
日本は狂犬病の清浄国ですが油断は禁物
日本では、1956年に6頭の犬の感染が確認されて以降、国内で狂犬病は発生していません。
国が中心となった狂犬病予防対策によって食い止めることができたのです。
ところが世界に目を向けると、日本のすぐそばのアジア諸国をはじめ、アフリカや中東エリアを中心に、全世界で今もなお、狂犬病は猛威を振るっています。
遠い国で起こっている関係のない出来事のような気がしているかもしれませんが、そうではなく、いつ狂犬病が国内へ入ってくるかわからない、常に予防をしておかなければいけない状況であることには変わりがないのです。
ですが、世界ではこんなにも狂犬病がまん延しているのに、なぜ日本では清浄国といわれるほど撲滅できているのでしょうか?
それは、国民の皆さんが「狂犬病予防法」を守り、「愛犬の登録・予防注射」をしっかり行うなどの行動を徹底したからです。
それにより、たった7年間で日本は狂犬病の清浄国となることができました。
しかし、世界では狂犬病が発祥しているエリアのほうが多いため、海外旅行や移住された際には注意が必要です。
狂犬病の清浄国は世界中で11のエリアだけ
約200もの世界の国や地域の中で、農林水産大臣によって「狂犬病の発生がない」と認められているのは、オーストラリア、ハワイ、グアム、イギリス、ノルウェーをはじめとする11の国・地域だけです。
渡航先では、飼い犬にも野犬にも、むやみにに近づいたり触ったりしないように注意しましょう。
たとえ咬まれなかったとしても、引っ掻かれたり唾液を浴びたりしただけでも感染のリスクがあります。
日本とは違い、海外では常に狂犬病の危険にさらされていることを忘れないで慎重に行動しましょう。
ワクチンで狂犬病の感染から愛犬を守る
大切な家族であるワンちゃんが狂犬病にかからないように、また、家族の皆様が狂犬病に感染しないように、必ず予防接種を行いましょう。
狂犬病ワクチンの接種時期は、一年のうちでも動物病院がもっとも混み合う時期ですが、北千束動物病院では診療のWEB予約を導入しています。
待ち時間を軽減できますので、ぜひご利用ください。
WEB予約につきましては、治療の流れのページをご確認ください。
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