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副院長ブログ

トキソプラズマ症

2017年9月9日

日々の診察ではお目にかかることはほとんどありませんが、最近続けて飼い主様に質問されてトキソプラズマの資料を

見直すことがあったので簡単にまとめておきます。

 

トキソプラズマとは・・・

トキソプラズマは原虫(単細胞性の寄生虫)に分類される寄生虫でほぼすべて哺乳類に寄生します。

しかし、トキソプラズマに感染しても宿主の免疫系にすぐに排除されてしまいますので、多くは無症状

または非常に軽い症状しか示しません。その後、ごくわずかに生き残った虫体は筋肉や脳といった体の中で

シスト(虫体が集まったカプセル)を形成し、この状態で他の動物に食べられたり、宿主の免疫が低下するのを

じっと待ち続けます。ネコ科の動物に感染した時は他の動物と同じようにシストを体の中に形成するとともに、

オーシスト(トキソプラズマの卵みたいなものと思ってください)を便の中に排泄します。感染はシストや

オーシストが口に入ることによって成立します。しかしオーシストの排泄は一生に一回だけで数日から

3週間程度の期間のみみられます。

人に感染しても症状はほとんど表れませんが、妊娠時の感染は胎児に悪影響が出るため注意が必要です。

 

人への感染経路は・・・

①猫の便の中に排泄されたオーシストが口の中に入る。

・猫との過度のスキンシップやオーシストに汚染された花壇や砂場を触った後の手洗いが不十分な状態で食餌を

とることによって感染する可能性があります。

②シストが形成された生肉、加熱の不十分な肉を食べる(豚肉に限らない)。

・食肉検査でトキソプラズマのシストが一つでも見つかった個体のお肉は全廃棄になります。

・ローストビーフも中心部が67℃になるように加熱してあれば大丈夫ですが、ローストビーフの基本の考えは

肉の表面についた細菌の食中毒予防なのでトキソプラズマにはあまり意味がありません。

の2つの経路になります。

 

動物病院で出来る検査は・・・

動物病院で検査可能なのは猫のトキソプラズマ抗体の「陽性」か「陰性」になります。簡単に説明すると

陽性⇒トキソプラズマにかかったことがある、体内にシストをもっている可能性がある。

陰性⇒トキソプラズマにかかったことがない、体内にシストをもっている可能性はない。

ではどちらの猫が人、特に妊婦に危険かというと抗体「陰性」の猫になります。

抗体陽性の猫はすでにオーシストの排泄は終了していますし、仮にもう一度トキソプラズマに感染しても免疫によって

抑え込んでいる状態なのでオーシストの排泄はされません。

一方、抗体陰性の猫はごく最近にトキソプラズマに感染し、今まさにオーシストを排泄している状態か、今後

いつオーシストを排泄するかわからない状態の猫ということになります。

 

動物病院からのアドバイス

①飼い猫のトキソプラズマ抗体が陰性のときに注意することは

シストやオーシストを口にすることがなければトキソプラズマに感染することはないので、完全室内飼育で

生肉などを与えなければ心配ありません。

②生肉を含む手作り食をどうしてもあげたいときは

肉の深部まで-20℃以下で8時間以上冷凍するとトキソプラズマは死滅します。どうしてもあげたい場合は

この条件を満たす肉を購入するか自宅で薄切りにしてしっかり内部まで冷凍して与えてください。

③何日か屋外に脱走してしまった猫はすぐにトキソプラズマの抗体検査を受けた方が良い?

感染のタイミングで抗体の有無とオーシストの排泄の有無が関連しない場合があります。妊婦さんは猫との濃厚な

接触や排泄物の処理は避けてください。どうしても便を処理しなければいけない場合は排泄後すぐに処理することに

よってトキソプラズマへの感染を低くすることができます(便中のオーシストが感染できる状態に成熟するには

最低24時間必要だと言われています)。

④妊婦さんがいるけど新しい猫を迎えたい

妊婦さんのトキソプラズマ抗体が陽性と確認できているなら大丈夫ですが、陰性または不明の場合は避けてください。

⑤犬と猫を一緒に飼っているけど注意することは

猫が便にオーシストを排泄するともちろん犬にも感染の危険性はあります。しかし犬も感染したとして症状が

あらわれることはまれで、猫と異なり便中にオーシストが排泄されませんので人へ感染するこはありません。

念のため犬が猫の便を口にしない様に注意をしてください。

 

 

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